ビッグモーターの不正請求と保険の衝撃

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ビッグモーターは、中古車販売大手であり、自動車保険の代理店事業や自動車修理の板金事業も手掛けている。しかし、その板金事業において、車両修理費用の水増し請求を組織的に行っている疑いが浮上し、大手損保各社が対応に追われている。本記事では、ビッグモーターにおける不正請求の問題点や損保ジャパンの対応、顧客対応の現状について詳しく紹介します。

ビッグモーターの不正請求問題とは

ビッグモーターの不正請求の概要

ビッグモーターの不正請求問題は、2021年秋に内部通報を受けて損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社がサンプル調査を実施した結果、全国の工場のうち25の工場で合計80件以上の水増し請求が疑われる案件が見つかったことが発端です。不正なケースには、損傷のない車両に板金塗装を施したり、中古部品を新品と称して付け替えたりするものもありました。

ビッグモーター側に自主的な調査を要請した結果、関東地域の4工場すべてで水増し請求が確認されました。また、追加調査の必要性が議論されていることから、不正請求の実態がさらに明らかになる可能性があります。

損保ジャパンの対応と問題点

損保ジャパンは、ビッグモーターの不正請求問題に対して限定的な調査しか行っていなかったものの、ビッグモーター側の主張を支持し、不正請求の組織的な関与はなかったと結論付けていました。しかし、ビッグモーターの社員の証言により、組織的関与の疑いが強まっており、損保ジャパンの対応が問題視されています。

損保ジャパンは取引を再開していたが、9月に再び停止し、他の損保からも疑われる状況になっています。現在、損保ジャパンからの反論はまだ聞こえてこないが、不正請求をめぐる言動の整合性がなくなり、説得力のある説明ができなくなっているとされています。

顧客対応の現状と今後の対応

ビッグモーター社の顧客対応

ビッグモーター社は、保険金の不正請求を行っていたことを謝罪し、お客様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げています。ビッグモーター社は特別調査委員会による調査結果を公表し、不正請求の事実関係と対応策を報告しています。

ビッグモーター社では保険金の返金を行い、お客様に正しい支払保険金や保険料の差額を案内し、自動車保険の使用有無や等級訂正の意向を確認しています。また、ビッグモーター社で事故車両を修理したお客様に対しても不正請求の調査を行い、調査結果を書面で案内する予定です。

損保各社の顧客対応と救済措置

ビッグモーターを事故車の修理先として保険契約者に紹介していた損保会社も、不正を見逃す温床となった可能性があることから、顧客対応に力を入れています。損保会社は等級を戻す意向であり、被害回復の時期は未定ですが、救済措置は進められています。

また、損害保険料率算出機構が不正請求の調査に乗り出し、保険料が上昇し、全体の保険料にも影響があった可能性が指摘されています。料率機構は不正請求が判明すれば、参考純率算定に反映するとしています。

他の業者でも同様の問題が発生

グッドスピードの不正請求疑惑

ビッグモーターと同業のグッドスピードでも保険金の不正請求疑惑が明らかになりました。グッドスピードは損害保険会社から過去の保険金請求について調査協力を求められていることを公表しています。グッドスピードと取引関係にある保険会社は、あいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の4社と言われています。

グッドスピードは中古車販売の他にも新車販売、買取、整備、板金、ガソリンスタンド、保険代理店、レンタカーなどを経営しており、従業員数は704名で、年間売上は561億円、営業利益は10億円です。自動車保険の不正請求により、保険料の支払いがアップする可能性があり、保険会社は救済措置をとるとしていますが、詳細はまだ決まっていません。

業界全体の問題としての不正請求

ビッグモーターの調査報告書によれば、板金業界では過剰な修理や実際に施工した工数以上の請求が常態的に行われてきたとされ、他の業者でも不正請求が出てくる可能性があります。この問題は業界全体の問題として認識されるべきであり、今後も慎重な調査や対応が求められるでしょう。

不正請求問題が発覚してから、グッドスピードに問い合わせたが回答は得られず、中古車業界の闇がどこまで広がるのか気になるところです。

まとめ

ビッグモーターの不正請求問題は、業界全体の問題として認識されるべきであり、適切な対応が求められています。損保ジャパンやビッグモーター社の顧客対応が進んでいますが、被害回復の時期は未定であり、今後の動向が注目されます。他の業者でも同様の問題が発生しており、過剰な修理や工数以上の請求が常態化しているとされる業界への改善が求められるでしょう。

業界全体が協力して不正請求の根絶に取り組むことで、消費者に対する信頼の回復や保険料の適正化が期待されます。今回のビッグモーターの問題を教訓に、全業界が改善に向けた努力を重ねていくことが重要です。

 

よくある質問

1. ビッグモーターの不正請求問題はどのように発覚しましたか?

ビッグモーターの不正請求問題は、2021年秋に内部通報を受けて損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社がサンプル調査を実施した結果、全国の工場のうち25の工場で合計80件以上の水増し請求が疑われる案件が見つかったことが発端です。

2. 不正請求の具体的なケースはどのようなものでしたか?

不正なケースとしては、損傷のない車両に板金塗装を施したり、中古部品を新品と称して付け替えたりするなどがありました。

3. 損保ジャパンはどのような対応をしているのですか?

損保ジャパンは、ビッグモーターの不正請求問題に対して限定的な調査しか行っていなかったものの、ビッグモーター側の主張を支持し、不正請求の組織的な関与はなかったと結論付けました。

4. ビッグモーターはどのような顧客対応を行っていますか?

ビッグモーターは、保険金の不正請求を行ったことを謝罪し、保険金の返金や正しい支払保険金や保険料の差額の案内などの対応を行っています。また、事故車両を修理したお客様に対しても不正請求の調査を行い、調査結果を書面で案内する予定です。

5. 業界全体での不正請求の問題はどのように対応されていますか?

損保会社は等級を戻す意向であり、被害回復の時期は未定ですが、救済措置は進められています。また、損害保険料率算出機構が不正請求の調査に乗り出し、不正請求が判明すれば参考純率算定に反映する予定です。

6. グッドスピードについても同様の問題が発生しているのですか?

はい、ビッグモーターと同業のグッドスピードでも保険金の不正請求疑惑が明らかになっています。グッドスピードは損害保険会社から過去の保険金請求について調査協力を求められています。

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